海溝

覚書とか忘れたいこととか

8年間劇場版ゲストキャラだった最推しがレギュラーキャラとして帰って来た

久しぶりのお気持ちブログです。

 

タイトルの通りなんですけど、8年前に公開された、とある人気アニメの劇場版のゲストキャラだった自分の最推しキャラがレギュラーキャラとして帰って来ました。

未だに信じられません。

 

私の推しは重ねてになりますが、あくまでも(私だって認めたくなかったのですが)ゲストキャラなので前述のとおり、劇場版にしか出ていません。

アニメ自体は11年前に1期が放送され、2本の劇場版が作られました。しかしそのうちの1本にしか推しは出ていません。

一応メインキャラの一時的な新しい相棒という位置づけのキャラなので、劇中ではそれなりに出番も多く、見せ場もあります。

公開当時はそれなりにファンからも愛され、彼に関する沢山の二次創作物がTwitterにも流れてきました。楽しかった。あの頃はとても楽しかった。忙しかった。ふぁぼ飛ばすのが滅茶苦茶忙しかったよ。

しかしなにせ、100分のアニメーション1本にしか出ていないのです。

時が経つにつれ、当時「いいね」と言っていた人々も、だんだんと他のジャンルへ移っていき、彼の話をしなくなりました。

別にそれは悪い事ではありません。

それに多分、みんながみんな彼を忘れたわけではない。好きなキャラとして自分の頭の中には在るけど、他にも好きなキャラは沢山いるし、稼働しているジャンルのキャラを優先的に愛でたくなるのは当然です。仕方ないのです。

 

しかし、私は違いました。空白の8年間(敢えてそう呼ばせてください)、他のジャンルにハマってみたり、全然関係ない趣味のことをツイートしてみたり、腹減ったとか眠いとか言ってみたりもしましたけど、とりあえず二次創作物のひとつである彼の夢小説を書き、サイトにアップロードし続けました。

Twitterに彼の夢妄想を壁打ちしたりもしました。

(8年の間に1年半ほど何も書かず休んでいた時期もありましたが…)

いつしか、他ジャンルの友人からは「今日本で一番このジャンルの夢小説を書いてるのはお前だ」と笑われるようになりました。「彼が劇中で喋ってる台詞量を軽く超えるほど、彼を夢小説の中で喋らせている」とも。

pixivはあまり見ませんが、ざっと見る限り彼女の言う通りだろうなと思い、受け入れました。彼女は半分くらい呆れていたのかもしれませんが、私は誇りに思いました。

夢書きの中で、彼を最も愛している女認定されたと思いました。

プレッシャーには感じませんでした。そもそも二次創作って誰かに認められたくてやるもんじゃないし、私は私が書く彼の夢小説が読みたいから書いていただけなので。

 

そして劇場版公開から6年ほど経った頃でしょうか。

遂にこのアニメの新作が製作されると発表がありました。

嬉しかったです。彼が好き以前に、私は放送開始当時からこのアニメが大好きだったので。噎び泣きました。

彼関連で繋がっていたフォロワーさんたちは殆どが別ジャンルに移っていましたが、この発表を聞いたときは私と同じく喜んでいました。

それを見て、私はまた喜びました。

けれども、頭の片隅で「でもどうせ彼は出ないんだろうな」なんてことを思うのでした。

だって、私の愛する彼は劇場版のゲストキャラだから。お客様だから。

劇場版のラスト、彼はアニメの舞台となっている街を去る描写がありました。

きっと、二度と戻って来ないんだろうな。

帰ってきて欲しい。そう思いながらも、諦めていました。

根拠はありませんが、変に期待して傷つくのが怖かったのかもしれません。今思うと。

唯一、彼の話をしたり、一緒に夢の話をしたりしてくれる、仲良くさせて頂いているフォロワーさんと会う度に「2期に出るといいね。一瞬でも」「そうだね」という話をしました。その時も、私は「どうせ出やしないよ」と思っていました。

 

アニメの配信に向け、公式はどんどん情報を提供してきました。

劇場版の4DX版が公開されました。彼のイメージカラーである黄色い着物と紺の帯を締め、見に行きました。

コーデ写真を見たフォロワーから「素敵だね!」と沢山言って貰えました。

公式の配信開始を祝したイベントにも行きました。彼のグッズを身に付けて行きました。会場には、私は自分以外の人で彼のグッズを身に付けている人を見つけられませんでしたが、「まあそうだろうな」と思いました。

公式から供給される情報の中に、彼の姿は無かったものですから。当然だと思いました。

配信日が近づくにつれ、楽しみな反面、怖くなってきました。

Twitterのタイムラインでは、このアニメの話をする人が日に日に増えてきました。

楽しみだね。

皆、一様にそう語っていました。

他ジャンルにいるけれど、私が彼のことを8年間ずっと推し続けていることと、夢小説を書き続けていることを知っている友人たちからも、「もうすぐだね。彼、出ると良いね」と声を掛けてもらうことが増えました。

丁度私の誕生日前後に遊んだ友達からは、彼が私に贈ってきたという設定で、彼が書いた設定のカードと一緒にプレゼントをもらいました。これも嬉しくて、部屋に飾っています。

しかし、怖さは消えませんでした。

始まってしまう。彼の居ない、2期が始まってしまう。

大好きなアニメなので当然おはなしを純粋に楽しむ事は出来ますし、メインキャラの中にも好きなキャラはいっぱいいるので、そのキャラたちを応援したり愛でたりすればいいのです。

けど、私は彼のいない新作を受け入れる覚悟が出来ていなかったのです。

普通にこれはわがままですね。

 

さて、時は過ぎいよいよ配信時間になりました。

この日の為に有給をとっていたので、ほぼ配信開始と同時に再生しました。

毎日のように大好きな映画やドラマを見ているNetflixですが、こんなに操作に手間取ったのは初めてでした。笑いました。

待ちに待った2期の1話。

私の知らない物語が始まりました。抱えていた不安や恐怖は消え、純粋に世界に引き込まれ、見入っていました。

あーこのキャラのこの感じ懐かしい、新キャラも気になるなあ、など、にこにこしながら見ていました。

今幕が上がったばかりの、彼の居ない新作。

でも、彼が居なくても大丈夫だよ。2期は楽しい。また私は私が読みたいと思う物語を書けばいいのだから。

そう思えるようになってきました。

 

しかし、再生開始から7分と少し経過した時でした。

 

 

 

 

 

 

彼が出ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

時が止まりました。

頭が真っ白になりました。

はーーーー!?!!!!?!!!!!!!!?!!!!!!と言いました。

Twitterにもはーーーー!?!!!!?!!!!!!!!?!!!!!!!と投稿しました。

そして、とりあえず一時停止をしました。

心臓がうるさく鳴っていました。

深呼吸をしました。

少し巻き戻し、また再生させました。

 

 

 

 

 

 

やはり彼が出ました。

 

 

 

 

 

 

その後の事はちょっと、記憶が朧気です。

とりあえず夢の中にいるような気分になりながらも最後まで見て、彼はどうやら1話限定のゲストキャラではなく、レギュラー登場するらしいということを察し、Twitterで無事であることを報告し、察したジャンル外のフォロワーからリプライを貰いました。

おめでとう、とか、よかったね、とか。

それらひとつひとつを返しながら、私は気が付いたら泣いていました。

嗚咽を漏らし、ボロボロ涙を流していました。

 

彼と出会ってからの8年間、楽しかったですが、辛い時もありました。

それは二次創作の話ではなく、仕事だったり、人間関係だったり、人生だったり、私も色々な事に悩み、もがき、苦しんだ時期があったということです。

二次創作が辛いなんて感じた事はありませんでした。だって二次創作は、私が書きたいものを書きたいときに書いているだけだから。

感想が貰えなくてしんどいとか、思った事はありませんでした。

(それはきっと、前述の仲良くさせて頂いているフォロワーさんの存在が大きいのですが。)

その人生の辛さが、この瞬間、全てこの手で愛を持って抱きしめられるような感覚になったのです。

 

Twitterを見ました。震える手で、彼の名前を検索ワードに打ち込みました。

みんな、彼のことを呟いていました。

8年前に戻ったようでした。

 

ということで長々と書きましたが、結局自分が何が言いたかったのかはわかりません。

8年間の気持ちを吐き出して、今日の喜びを記録しておきたかったんだと思います。

気が付いたらブログを開いてました。

自分が何が言いたかったのかはわかりませんが、とりあえず彼には「おかえり、会いたかったよ」と言いたいです。

大好きだよ、とも。

私の知らない表情で、私の知らない台詞を話すあなたがまた見られて嬉しいです。

これからもよろしくね。

バディミッションBONDをやって情緒を狂わせ自律神経を整えろ

各界隈で話題になっているバディミッションBOND、全てのエピソードをコンプリートしましたので感想とか疑問とか書きたい事とかを書こうと思います。

後半は容赦なくネタバレする予定なので今後プレイする予定がある方はお気をつけください。

 

まずネタバレ無しにこれからやるかもしれない人向けの感想を書いとくと、たぶん小中高時代に少年ジャンプの漫画を読んでたオタクならば絶対何かしらが刺さるゲームなので絶対にやった方が良いです。

友情!努力!勝利!みたいなやつではないけど、形は違えどそれぞれに抱えてる『どうにもならなかった』想いを、ひとつの事件を通して別の物に昇華させていく…みたいな話が好きなオタクは絶対手を叩いて喜んじゃうと思う。私はそうでした。

私は小~高校生の頃、みんながFFとかドラクエとかやってる中、それらに一切触れずずーっとひとりで幻想水滸伝で遊んでたような、好きな物を好きな時に好きなように愛でてきた捻くれオタクだけど、良くも悪くも『みんなが好きなタイプの』王道を突き進んでくれたから夜な夜な「わ、わ、わ、わかり~~~~(頭抱え)」「こんなん好きに気決まっとるやないの~~~(床を転げまわる)」みたいな声を出してたからそうじゃない人はもっともっとストレートに好きなはず。

その『わかる』や『好き』がどんな種類の物かはちょっと具体的に言うとネタバレになりかねんのでふんわりとだけ書いとくね。

まあオタクに限らず、人間が様々な人間に抱くありとあらゆる感情を6通りのバディが再現してくれてるのでバディミッションBONDは人生に寄り添うゲームなのかもしれない。大袈裟な…と思うかもしれないがこれはやった人にしかわからんのだよ。

あーそうそう、これは4人のメインキャラを自由に組み合わせて謎を解いたりダンジョンに潜入したりみたいなことをするゲームなんだけど、その組み合わせが6通りあるんです。

しかも潜入フェーズのときにも当然会話が6通り用意されてるから推しバディだけじゃなくて他の組み合わせでも試したくなる→試す→新たな可能性に気付く→無限ループみたいな感じになる。

更に、一つの章をクリアするごとにメインキャラだけでなく各キャラのサブエピソードみたいなのも解禁されるから感情が忙しい。公式が二次創作より二次創作してるってどゆこと。同人女の敗北とはこのこと。

当然夜寝られなくなるからその点に於いてはマジ欠点しかないと言えます。

 

と、まあここまでゴリ押ししてきたけど、正直QTEに関してはクソクソのクソだったな。コツさえ掴みゃS判定も余裕で取れるんだけど。あと多分謎解き要素とかもこのゲームには求めない方が良い。ただの記憶ゲーなので。

でもその辺差し引いても十分お釣りがくるくらいには面白かったので良いです。ボーテ100点。

 

じゃあここからは既プレイ者向けというか私がプレイしてて思ったことを各キャラごとに書きます。

息を吐くようにネタバレするのでやる予定がある人は全エピソード読んで情緒を壊してからまた来てね。

 

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ルーク・ウィリアムズ

みんなのヒーロー:ルークさん。どこにでも居る普通の男の子がヒーローになるっていう物語ってなんでシンプルで使い古されたネタなのにこんなに面白いんでしょう。

でもそういう物語って大抵の場合、実は孤児ではなくどこぞの国の王族だったりとか、何かものすごい力を持っていたりとかするけど、彼の場合は最後までただの熱くて甘い物が好きな人間だったってところがめっちゃよかったな。

決して楽な人生ではなかったと思うけど、なんでここまでポジティブに育ったんだろう…って思った時にやはりエドワードの存在がデカかったんだろうな。

自分の信じていた物が実は自分の道理から大きく外れる存在だったとしても、信じていた期間に得られた物は自分にとってはかけがえのない物になる。

エドワードと過ごした時間で得た、そのかけがえのない物である「ヒーローになる」っていう信念を貫けたAnotherはダバダバに泣けた。

いやらしくない部類の天然ジゴロなのに、スイちゃんからの好意をなんとなく察しちゃってる辺り、やはり腐っても25ちゃいなんだな…って思わされてちょっとドキドキしちゃった。
しかもさすがヒーロー。人としての道を踏み外さない(=未成年との交際を一旦保留にする)とこほんとに好き。なんか教育実習生と女子高生みたいな関係だよねルクスイちゃん。推せるわ。

 

アーロンに対しても、モクマサンに対しても、チェズに対しても、持ち前の明るさと信念振りかざして結果みんなをハッピーにしちゃったカリスマ。彼なら内部から組織を変えていけるはずなんだ。がんばれ。

 

アーロン

誰よりも勇敢な選択が出来るヒーローその2。BOND唯一のツッコミ。笑うとかわいい。

生きるか死ぬか…みたいな環境で育った来たわりに一番メンタル安定してるというかもうセルフコントロールおばけだよな。テメェの機嫌はテメェで取れドギー。あたしも見習いたい。人として学ぶところが多いキャラでした。

凸凹コンビとでも言いましょうか。腐的な意味ではなく、ルークさんとはほんとに足りない所を補い合える最高の相棒という関係だったと思います。助けたり助けられたり、与えたり貰ったり。そんな関係。ルークとアーロン、実家のような安心感。

これは考察の部類に入りますが、アーロンがルークを助けに行く時はメンタルズタズタにされてて、ルークがアーロンを助けに行く時はフィジカルがズタズタになってるのは意図的な対比なのかな。この辺もじっくり掘り下げてったら面白そう。

アラナさんとの義姉弟関係も良いよねえ。ナデシコさんがアラナさんに「色恋的な感情を抱く事はないか?」って聞いてて笑いながら否定してたけど、彼らの間にあるのは完全に家族愛なんだ。それはわかる。そしてそれでいいんだ。シナリオライターほんとによくわかってんな。すごいぞ。

実は4人の中で一番オトナなのに、モクマサンと絡むと一気に少年っぽさを出してくるとこも良い。そしてチェズとの絡みはまじでツボでずっと笑ってた。めっちゃ仲ええやんけ。

 

モクマ・エンドウ

オタクはみんなきゃわきゃわなおじさんが好き。ルークさんは天然ジゴロなところがあるけど、この人の場合はなんなんだろう… ファム・ファタールとでも言うべきか。言い過ぎ?

みんな自分に近寄ってくるけど、近寄られる度に色んなものが壊れていく。自分の目の前で、或いは見えない所で。だからこそナデシコさんの所からも逃げたのかな…なんてことをちらっと考えたりもした。

自分は女の尻を追っかけるくせに、いざ言い寄られるとはぐらかして逃げるタイプのおじさんってマジでたちが悪いよね。大好きなんだよね。

そういやナンパをしたがるのは、自分はほんとはモテないんだよってことを自覚したいからなのかな?なんてことも考えたな。自分は大した人間じゃないって思う事で安心したい的な。いやたぶん普通に若い女の子が好きなだけ。

話それた。彼の気持ちを考えると、ほんとよくミカグラ島に戻ってきたよなあと思う。えらい。でも嘗て気持ちを踏みにじった(多分自覚はあったよね)人に利用されるなら本望だったんだろうかな。幸せの形は人それぞれだから。愛って難しいね。

 

色んなことを清算して、清算するのを手伝ってくれたチェズと一緒に新しいお仕事を始めたエンディング後は素直に「よかったねーーー」という気持ちだった。

ナデシコさんとチェズとのスリーショットもどちゃくそ楽しそうで泣きたくなった。自分を大事にしながら本当の意味で楽しく生きていってほしい。

 

チェズレイ・ニコルズ

これは断言したいんだけど、バディミッションBONDは彼の物語です。

母親との関係、ファントムとの因縁、仲間との関り、全部に於いて掘り下げ具合が半端なくてサブエピ読みながら何度も唸ってしまった。

独自の犯罪美学を持つ変態…だけじゃ終わらなくて、素性は誰よりも人間臭い人なんだと思う。

モクマさんに向ける感情の種類はいろいろあるのかもしれないけど、その中のひとつに“自分にできなかったことをやってのけた人に対する”尊敬もあったのかな。それは無自覚というか、認めたくない類のものだったのかもしれないけど。

BONDメンバーは皆一様に『救えなかった人』が居て、それらの重さは比べられる物ではないけれど、私は彼が救えなかった物が一番重くて辛くて悲しくて冷たい物だったと思ってる。

でもその分、伸びしろが多いというか、“ボス”やモクマさんとの関りを通して得た物は大きくて、結果最終的には人間に成れた。

彼関係で一番好きなシーンは、やっと再会できた因縁の相手であるファントムの横を素通りして落ちていくモクマさんを助けに行くとこなんだけど、あそこで彼の過去の半分は清算できたんだろうな。でも残りの半分はルークさんと深く関わる中で自然消滅したに等しいのだけど。ルークさんすごい。

嘗て救えなかった、自分のせいで死んだ母親が自分に向けていた物を今度はルークさんに向けるのはおままごとなんかじゃない。絆だよ。そう、これはチェズレイの物語…

 

至極どーでもいいんだけど、あの野菜は一体だれがどこで育てた物なんだ。

麦わら帽子を被って土いじりするモクとチェズは見た過ぎるので続編出してくれ。

 

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思ってたより長々と書いてしまった。

とりあえずメインキャラだけ取り出して書いたけど、もうちょっと書きたいサブキャラも居るのでまた追記するかも。

とにもかくにも楽しいゲームでした。

ありがとうバディミッションBOND。

初めて医療脱毛に行った話

約30年もの間、剃っても抜いてもしぶとく生え続けるムダ毛と共に生きてきましたが、先日法事の帰りに新幹線の中で、新大阪から東京に着くまでの間ひたすら妹と脱毛について話していたことから毛を殺すという事に急激に興味が湧き、昨日遂に医療脱毛の一回目に行って来たので覚書のようなレポのようなものを書きたいと思います。

 

エステではなく医療を選んだ理由

 自称:ラッコより毛深い生き物として生きてきておきながら脱毛事情について何も知らなかった私はエステ脱毛経験者の妹から、脱毛にはエス医療の二種類があるというざっくりとした説明を受けました。妹はラッコの私に比べると生まれつきそんなに毛深い方では無く、痛みに極端に超敏感であるためにエステを選び、通うのをやめてからも特に不満は無いと言っていました。そんな経験者の声を聞いてとりあえず彼女が通っていたというエステ脱毛について調べ始めたのですが、「いや、おゆちゃんの毛はエステでは殺せんじゃろ(笑)」*1と冷ややかに言われてしまった為、彼女が怖気づいてやめたという医療脱毛を選ぶことにしました。

②どこで医療脱毛を受けるか

次に施術をしてくれる機関を選びます。ここは何を優先するかでそれぞれ選ぶ基準は変わってくると思いますので、医療機関のサイトや口コミ等を見たり、無料のカウンセリングを受けたりしてよく考えて選ぶ事をおすすめします。

因みに私は施術を受けた所以外にも所謂大手のクリニックに一度無料のカウンセリングを受けに行って契約までしたのですが、思う所あって生まれて初めてのクーリングオフをしました。人としての経験値を上げてくれる医療脱毛。

 

参考までに私が施術を受けたクリニックを選んだ基準を書いておきます。

・予約が取りやすそうか

大手になればなるほど人気で土日は取りにくい傾向にあるようです。私がクーリングオフしたクリニックはとにかく予約が取りにくそうで、初回が契約日から3か月でした…

・料金プランは自分に合っているか

〇回コースみたいに通える回数が決まっていたり、1回何円と決まっている都度払いだったり色々です。また、支払いも一括だけの所と医療ローンを組んでくれる所があるので、自分に合った所を見つけましょう。私は満足いくまで何回かかるかわからないのとローンを組んで3年も4年もちびちび払い続けるのが嫌で、通う程料金が安くなっていく都度払いの所を選びました。

 

あとは痛みは無いかとか、万が一のときアフターケアはしてくれるか、生理不順の方はキャンセル・変更料を取られるか等を基準にして選ぶといいと思います。

③予約

さて、そんなこんなで施術を受ける機関を決めました。私が選んだ所はカウンセリングを受けたらそのまま施術もしてくれる所だったのですが、大手さんはカウンセリングだけして施術は後日、という所が殆どかと思います。じっくり話を聞いてから決めたい方はとりあえずカウンセリングだけ受けてもいいと思います。

予約はサイトのフォームから施術を受けたい日時を第1~第3希望くらいまで伝え、そこから返信が来て決定という流れでした。希望の時間が空いていなかったら〇日の違う時間なら空いてますよーとご丁寧に提案してくれたので、サクサク決まりました。

決定したら当日の持ち物(医療ローンを組まない場合、必要なのは身分証と現金、カードくらいだと思います)や注意点(剃毛の方法等)が記載されたメールが送られてきたので、特に不安もなく当日を迎える事が出来ました。痛みに関して以外は。

④カウンセリング

 そして迎えた当日。数日前から[医療脱毛 痛い]で検索しまくって勝手にビビってたので緊張でよく眠れませんでした。さらにクリニックのある場所が某駅を利用したことがある人なら、「ここで一体何が行われてんだろ…と疑問に思ったことがあるであろう独特な雰囲気のある雑居ビルの一角だったので、たどり着くまで不安しかなかったマジで。

雀荘やいつやってるのかわかんない中華料理屋、マスターらしき人が競馬新聞を読んでる喫茶店等の一角にえらい清潔感のある店が…と思ったら目的のクリニックでした。

時間に余裕を持って10分前に到着し、ムダ毛で悩んだことなんて生まれて一度もなさそうな良い匂いのするおねえさんに名前を告げると笑顔で問診票と注意事項が書いた紙、同意書を手渡されます。おそらくどこでも似たようなものは渡されるし、カウンセリングでも説明はしてくれると思いますが、脱毛当日の禁止事項や注意点が細かく書いてあるのでめんどくさがらずに読む事をお勧めします。

注意事項を熟読し身分証と共に書類を提出すると、ほぼ待つことなく診察室へ。若い男性の先生に簡単なカウンセリングを受けました。

カウンセリングの内容としては、問診票を確認した後医療脱毛の簡単な仕組みや注意点の説明。あとは何か不安な事はありますかと聞かれたので、仕事柄夏場は日に焼ける事が想定される私は「日焼けNGって書いてますけど、どの程度でアウトになるんですか」と質問。

すると「日常生活で焼ける分にはあまり問題ないですねー。バカンスで南の島に行ってちょっと焼けちゃいましたってのも、脱毛を受ける直前(2週間くらい前)じゃなければほぼ大丈夫。例えばライフセーバーやってて、もうそれはそれはこんがりってレベルはちょっとダメですけど」と砕いて説明してくれました。*2

万が一こんがり焼けても日焼けした箇所だけ出力落としたり、落ち着くまで待ちましょうという判断もこちらでしたりするので~と丁寧に説明してくれたので一安心。

ただし、日焼け自体は肌にとって良くないことなので、日焼け止めは小まめに塗って夜は保湿もするように言われました。「まあ脱毛してなくても肌を労わるのは当然の事ですよね(笑)」と若干煽られたので、これを機に意識高く生きようと思いました。

あと、施術を受ける回数ですが、やはり部位や毛質によるようです。一本も生えてないつるっつるをゴールにするのか、自己処理が今より楽になる程度をゴールにするのかでも満足する回数は変わってくるので、様子を見ながら続けていく方が良いとのこと。

大抵の人は5~7回くらい、VIOや脇は5~8回くらいで満足するそうなので、 私もとりあえずこのくらい通う事になりそうです。

⑤施術へ…

カウンセリングの後、今日受ける施術内容と料金を確認し、一度待合室で待機。カウンセリングでほんとは痛みについてもっと根掘り葉掘り聞いておきたかったのに何か変なプライドが邪魔をして結局聞けずじまいだったので、死にそうな顔で待ってました。

そして3分くらい経った頃いよいよ処置室に呼ばれます。

処置室はこんな感じでした。

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メイク落としは顔脱毛をする人の為に置いてあるようです。全身の場合は化粧を落とさなくても大丈夫でした。

中で荷物を置くよう案内され、着替えの仕方を説明されます。子供がプールの着替えの時に巻くようなタオルのやつと紙の紐パンツ、ヘアゴムが用意されており、髪の毛はなるべく高い所で結んで、着替えたらうつ伏せにして待っててくださいとのこと。メイクが落ちないように、クッションには不織布が敷かれていました。

案内された通りささっと着替えます。ほぼ全裸なので脱ぎ着しやすい服で行く方がいいですね。

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5分くらいしたら2,3名のスタッフさんが入室してきました。うつ伏せにしてたから何人入ってきたのかわからん…けどひとりが照射しながらもう一人が前の箇所に薬塗ってたりしたので多分最初に2人は居た。

 

 

施術の順番ですが、うなじ→背中と腕の後ろ側→手→お尻→腿の裏→ふくらはぎの裏、表になって、デコルテと背面で当てられなかった側の腕→胸とお腹→腿とすね→足の指→VIOでした。

当ててない所は基本タオルと毛布で隠れてるのでそんなに寒くはないですが、私の場合は緊張で末端がキンキンに冷えてました。どんだけひびってんのか。

 

さて、うなじからということで、まずはシェービングのチェックとマーキング(照射忘れがないように蛍光ペンでお絵かきされます)。電動シェーバーで念入りにシェービングしましたが、際の所をもう少し剃った方が良いとのことでカミソリで少し剃ってもらいました。

ここのクリニックは基本シェービングを自分でやって来るよう案内されてますが、どうしても自己処理が難しい場所や剃り残しが多い所は1か所辺り1,000円(税抜き)でやってくれます。私はなるべく手間をかけさせたくないと前日鬼のようにシェーバーを全身に走らせたので、うなじを少し剃ってもらった以外はカミソリをあてられることはありませんでした。(うなじも剃り残しにはカウントされなかったようで、シェービング料金を取られませんでした)

クリニックによってはチェックが厳しくてガンガンシェービング料金を取られたり、逆に0円でやってくれる(けど施術時間内にやるのでなるべく自分でやることを推奨されてるところが多いようです)ところもあるので、事前によく調べておく方がいいですね。

1か所1,000円くらいだったら背中とかうなじはお任せしてもいいのかも…

 

今回使用した機械はライトシェアデュエットという名前で、国内の医療脱毛界ではよく使用されているもの。照射口が小さい物と大きい物2つがあり、施術個所によって使い分けるそうです。大きい方はジェルを使わず皮膚を吸引して照射するんですが、小さい方には吸引機能が付いていないのでジェルを塗って施術をするということで、面積の小さいうなじにジェルがぬりたくられました。これがひんやりしてめっちゃ気持ち悪…

スタッフさんは今から〇〇しますねーと何かを塗ったり当てたりする時に声を掛けてはくれますがそれでも限界があることを知った。

そんでもっていよいよ照射。気がかりだった痛みですが、えっ、思ってたほど痛くない。

ライトシェアデュエットを使った脱毛のレポを読んで「いやそんな痛くなかった言うてるけど絶対痛いっしょ」とか疑心暗鬼になってたけどほんとに痛くなかった。巻き爪の治療する時にした部分麻酔の方が全然痛かったし、電動毛抜きソイエの方がもっと痛いし泣いてた。

けど全く痛くないかと言われたらそうでもなく、例えるならばセーター脱ぐときにパチッとなる静電気レベル。ピカチュウにばちばちされるのを想定してたのでほんと拍子抜けも良い所でした。

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※イメージ

 

その後も照射口が大きい物に変わって順番に照射されますが、特に問題無し。

ただ、吸引されるタイプの方はまた感覚が変わり、静電気バチバチというより熱々のマグカップを順番に押し当てられる感じでした。「あつっ!あつっ!」みたいな。我慢できない熱さではないけど、腰骨付近とか膝とか皮膚が薄い部分はちょっと熱くて痛かったかな。けど余裕で耐えられるレベル。いつの間にか一人になってたスタッフさん(複数体勢なのは最初だけらしい)も部分が変わるたびに「お痛み大丈夫ですか?」と確認してくれるので安心です。まあ多分これ大丈夫じゃなくても大丈夫って言っちゃいそう。

手際よく照射されながら、今までムダ毛と共に過ごしてきた日々が走馬灯のように流れました。

音大時代、ドレスを着る度に死ぬ気で剃ってた背中の毛…激痛だった電動毛抜きソイエ…うかつにサンダルが履けない原因だった足の指の毛…まだ結果はわかんないけどこんだけの痛みで毛から解放されるならもっと早くやっときゃよかった…

 

しかし、VIOだけはやはり他よりも痛かったですね。それでもソイエで脇の毛処理してる時の痛みとそんなに変わらない程度。私どんだけソイエにトラウマあるんだろうか。

VIOも小さい方の照射口なのでジェルを塗ってから照射してくれました。

⑥施術後

顔以外の全身を手際よく照射して頂き、掛かった時間はカウンセリングと着替えを抜くと1時間半程度。もっと掛かるのかと思ってたのでこれまた拍子抜けしました。

時間が掛からないのもライトシェアデュエットのウリだそうです。

照射が終わってスタッフさんが再度注意事項を簡単に説明してくれて、施術は終わり。着替えて受付でお金を払って終了です。

よく聞く勧誘とかも一切なく診察券と領収書、注意事項と同意書のコピーを手渡されてクリニックを後にしました。

勧誘行為が一切無かったので聞きそびれたんだけど、次回予約するときは診察券の番号を伝えて下さいねとだけ言われたのでまた2か月後くらいに改めてネットか電話から予約すればいいようです。

 

カウンセリングで当日は痒みとか赤みとかが出るかもと説明されましたが特に無く、ちょっと火照った感じがするかなという程度で普通に映画を2本見て帰りました。疲労感みたいなのはあったので、出来れば脱毛した日は予定を入れない方が良いのかも…

そこは本人の体力次第ですかね。

 

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ということで初めての脱毛の記録は以上です。

照射して1~2週間ほどでぽろぽろと死んだ毛が抜けていくそうなんですが、どの程度なのか今はとりあえず楽しみにしてます。

 

そして今後ですが、とりあえず2か月後目安に2回目の照射をしようと考えてはいるけど、1回目と同じところにするか他のとこに変えるかは絶賛考え中。

今回のクリニックが悪かったからとかではなく、他のところで顔脱毛もしようと考えているので…

とりあえず、これから医療脱毛をやろうかなと考えている人の参考に少しでもなれば幸いです。ありがとうございました。

*1:あくまでも個人の意見です。向き不向きがそれぞれあると思いますので、各自よく調べましょう

*2:ただ、使用する機械によってはちょっとの日焼けでもNGだったり、逆にこんがり焼けててもOKだったりする場合もあるそうです

テニミュを9年ぶりに観劇した話

2.5次元舞台が市民権を獲て久しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

2/16夜、ミュージカル『テニスの王子様』を9年振りに観劇したのですが、なんかもう色々と衝撃を受けていてもたってもいられなくなったので今日はその時産まれたクソデカ感情を頑張って文字にして書き出したいと思う所存です。

 

9年振りと書きましたが、私とテニミュの出会い、それからどうして9年もの間疎遠になっていたかについては書くと長くなってしまうのでまた別の折に触れたいと思います。機会があれば。

一応この記事を読むにあたって読者の方に知っておいていただきたいざっくりとした私とテニプリの関係としては

 

テニプリは中高時代に一通り読んでた

・当時は立海好き。ova見たあたりで四天宝寺推しになる

テニミュとの出会いは2008年夏頃(当時大学1回生)

・入口は空耳

・観劇したのは1st四天宝寺戦が初

ドリライ6thを見てテニミュ観劇自主卒業

・1stの最推しは植原卓也くん

・新テニとテニラビは半年で飽きた

 

こんな感じでしょうか。

入口が空耳って書くと多分叩かれると思いますが事実なんでしゃーない。

あの頃の暇を持て余してたオタク大学生の殆どは空耳見てたぞ。

あと、9年テニミュからは離れてましたが2.5舞台からはそんな疎遠になってたわけではなく、2016年頃から戦国BASARAの舞台には毎回通ってたり、金色のコルダの舞台を見に行ってたり、友人に誘われるがまま刀ミュのライブビューイングを見に行ってたり、そんなどっぷりではないけど理解はある。みたいな距離感です。

 

さて、そんな1stだけに取り憑かれた1stの亡霊とも言える私が何故今更3rd四天宝寺戦を観劇したのか。

理由はいくつかありますが、2ndや3rdからテニミュに入ったTwitterのフォロワーさんたちがすごく楽しそうにテニミュの話をしているのが気になったことが1番大きいかもしれません。Twitterの影響は強い。

あと、30も近くなって昔好きだったものや人が懐かしくなってきてるんだと思う。

こう書くとほんとにただの老害です。

 

前置きがえらい長くなってしまい、漸くここから本題なんですけど、ここまで書いてもう結構心がしんどくなってきた。

まあ書いてる当人はしんどいんですけど、そんなしんどい話ではないんで安心して読んでいただきたい。

 

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1.進化した舞台装置と大道具

まず亡霊が驚いたのは舞台装置。1stのときでは考えられなかった凝った小道具大道具、プロジェクションマッピング

9年前から時間が止まってる亡霊は自販機が出てきただけで「すごい!」ってなりました。

1stのときの“持ち物はラケットだけ。必要最低限の小道具と照明で魅せる”的なテニミュはもう何処にも無く、“きちんとした”大道具を用いることで、舞台が1stの頃よりグッと明るくなっていました。

チームメイトが応援するベンチもそうね。記憶の中にあるベンチという名の白い階段ではなく、なんか、ちゃんとベンチベンチしてた。

 

2.1stのいい所を取り入れて進化した楽曲

事前情報として、フォロワーさんから『1stの時から使われてる曲もあるし、新曲もありますよ』という知識は得ていて、「新曲かあ…馴染みのあるあの曲やこの曲がよーわからん新曲に取り替えられてる可能性が高いの、辛すぎん?」と若干ブルーになったこともあったんですけど、結果から言うとめちゃくちゃ良かった。

白石くんのエクスタシーは1stのエクスタシーより、一層トランスしててセクシー極まりなかったし、ダンスも初代四天Aの春川が得意としてたカクカクダンス(命名:私)を良い感じに進化させた振り付けで、コレを見た瞬間「3rdは大丈夫」と確信しました。

四天宝寺の校歌も、ほほほい!ほほほい!してた時代のあれとはまた違ったお祭り感があり。

これは当たり前と言えば当たり前なんですけど、初代四天の子達と今の四天宝寺の子達は違うわけで。

各々のキャラクター、メンバーが集まった時に生まれる空気感。

初代の子には初代にしか歌えない歌があり、3rd四天の子には彼らにしか歌えない歌があって、新校歌はまさにそれでした。

いやー、他の新曲もよかったよー。

でもThis is my bestは1stの子が歌っても3rdの子が歌ってもこう、涙腺に来るものがありますね。単にこれは曲が良すぎる。

 

3.+‪αが手厚すぎる

これ、これよ。これが言いたくてこの記事を書いたと言っても過言ではない。

3rdを見て「やっぱテニミュすげえや」って思ったのは、ここなんですね。

よくテニプリというジャンルは福利厚生がしっかりしてる、みたいな話をしますが、テニミュは舞台本編に彩を添える、+‪αな部分が本当に濃厚すぎるんです。

最近だと刀ミュも手厚いなあーと蚊帳の外から見てたりもしたんですけど、それとはまた違った種類のものなんですよね。

私は今回一公演しか行ってないのであれなんですけど、日替わりネタだったりベンチネタだったり、これはもうおまけの域を超えてますね。テニミュは。目が何個あっても足りやしない。だからオペラグラスは必携だし、チケットは知らんうちに増えてる。

本気で殺しにかかってるからよ、あいつらキャスト。

 

それから!胃もたれするくらい濃厚なアンコール。これよ。

フルコースの料理食わされて、デザートまで出てきたと思ったらそこから更にスイパラに連れていかれるときの気持ちに近いものがあります。テニミュはカーテンコールから先が長ぇんじゃ。まじ。

ほんで最後の最後では惜しみなくキャストが客席降りしてハイタッチとか、もう気分はディズニーランドのキャラグリですよ。私は今だけお姫様。そうゆう気分よ。

そんなチェックしてなかった子も最後にハイタッチ求めてきたらそんなん好きになるに決まっとるやんけ。アホか。テニミュ、ほんとアホすぎて愛おしい。

 

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もっと細かく語りたいこともあるんですが、語ってると本が出そうになるのでそろそろ無理矢理纏めましょう。

9年振りにテニミュを見たこの気持ちを一言で言うならば、「観劇してよかった」。これにつきます。

テニミュは代替わりしてもやっぱりテニミュだったし、良かったところはより良くなって今なお受け継がれてるし、孫の代まで続いて欲しい、世界に誇れるコンテンツだなって思います。

だって普通に生きててこんな楽しいこと他にあります?そんな無くない?体感的には2泊3日の温泉旅行くらいの癒し度ですよ。テニミュ

 

4th四天宝寺が今から楽しみなので、数年後も元気に観劇できるように貯蓄と健康管理をがんばります。

皆さんもテニミュを後世に遺すべく頑張りましょう。

東京にいる理由がわからない

ひと月ほど前、《ここは退屈迎えに来て》という映画を観た。

山内マリコの同名小説が原作の映画である。

ここ数年、めっきりアニメ以外の邦画を見ることが減ってしまったので、夏の終わりに観たカメラを止めるなぶりの邦画鑑賞となった。

映画はそこそこ面白くて、なんかちょっと前に話題になった《桐島、部活やめるってよ》的な、「特筆すべきではない点を敢えて見せてる」みたいな雰囲気があってとても楽しめたのだが、登場人物の設定であったり舞台だったりがわりとこう、容赦なく私の心臓に刺さってくる感じがして結構辛かった。


とある地方で生まれ育ち、1度は東京で暮らしたものの、思うところあって帰郷し再就職する「私」とその周辺の人達のことが淡々と描かれるなんてことはないストーリーで、多分人によってはこの映画の存在自体が最高に「退屈」で迎えに来てー感じになるのでは?とすら思えてしまう。

しかしもう一度言っておくが、私にとってはかなり面白い部類に入る映画だった。


それは恐らく橋本愛演じる「私」と私は年齢も近く、休日遊びに行くと言えばイオンくらいなド田舎を故郷に持つという共通点があったからだろう。

別に橋本愛と自分を同一視してるわけではないです。

さて、そんな「私」と私の1番大きな相違点と言えば、最終的に東京を捨てて帰郷したか否かという点だ。

色々あった末に帰郷を選んだ「私」と色々あるけどなんやかんやで東京にいる私。その差は一体何なのだろう。


そんなことを考えていると、ふとメレンゲが《東京にいる理由》という名前の曲を歌っていたなあ、なんてことを思い出す。

私はべつに、この曲に出てくる人のように東京に縋らないといけないほどの大恋愛をしたわけでもなく、離れたくない人が現在進行形でいるわけでもない。

両親は地元で元気に暮らしてるし、不定期ではあるけど帰省もしてて家族仲はそこそこ良くて、帰る場所がない訳でも無い。

【じゃあ私にとっての東京にいる理由って何だ?】

人生における節目節目(ってほど大したものでもない気がするけど)で、いくらでも帰郷するという選択肢を選ぶチャンスはあったはずだったのに、私は何故選ばなかったのか。

何故東京に留まり続けているのか。

何がそうさせているのか。

今日はそれについて少し考えてみたい。



私は18の春に大学進学と同時に東京に出てきて、以来住む土地はころころ変えつつも何やかんやで東京に暮らし続けて今年で11年目になる。埼玉に住んでた時期もあるけど、大学も職場も東京だったので東京ってことにしておいて欲しいです。


まず、東京にある大学(都内にある私立の音大)を選んだ理由は、

①師事したい先生がそこの大学にいたから

②芸術を学ぶなら田舎よりは東京の方が良いような気がしたから

③親からの経済的な援助を受けられたから

という感じである。

東京なら何でもある!という漠然とした憧れのようなものは強かったので、この3つの中だと②が1番大きな理由となるだろう。

学びたいこともあったけど、遊びたかった。

そういうことだと思う。いやーティーネイジャーなんてそんなもんよな。

実際、めっちゃ楽しかったです。

行きたいライブにはすぐ行けるし、行きたい同人誌即売会にはすぐ行けるし、勿論クラシックのコンサートにも結構通ったけども!


さて、大学も3年生になると大抵の人が考えるのが就職・進学である。

私が通っていたのは音大だったので、一般的な大学に比べると就職活動をする人間は少なく、スーツ着て講義に出ようもんなら「え、お前シューカツなんかやってんのか」みたいな目で見られることが多かった。

しかし、私はとりあえず早いうちから自分の技術に限界を感じていたので、就職活動をしていたのだが、色々と思うところあって最終的には就職せず、教員を目指すようになった。

そう、この時も、私は最終的に東京を選んだ。

その理由は

①居心地が良くなったから

②あらゆる可能性が田舎に比べて多いから

③四つ下の妹がちょうど入れ替わりで同じ大学に進学することになったから(子守りを任された)

といったところだろう。

実家に帰って地元で教採を受けるという選択肢もあったが、結局は「えー折角東京に染まってきたのにー」みたいなプライドが邪魔をした。

平たく言ってクソである。親的には③要員として重宝していたと言ってたけども。震災の後だったしね。


さて、教採の勉強をしながら非常勤の仕事を掛け持ちで始めた私だが、そのうちある人との出会いによって幼稚園教諭と保育士の免許・資格を取得することを目標とし始める。

この時点で確か23とか24とか、まあまあいい歳だったので、とりあえず親に相談をしたところ、「え、いいと思う」というゆるーい回答を頂いた。

かくして専門学校に入り直すのだが、この時も当然のように東京に留まることを選んだ。

理由としては、

①妹がまだこっちに居るから

②学校の数が圧倒的にこっちの方が多い

③東京で出来た友達が多くなった

④今更帰っても田舎のあらゆる不便さに適応するだけの体力がないと思った

というところだろうか。

もうこの辺りになってくると、親も「もう帰って来んのじゃろ」と、勝手に解釈して勝手に納得するようになっていた。

私が「こっちで骨を埋めるからよ」と宣言したわけでもないのに。親ってのはわかってないようで子どものことをよくわかってるものなんですね。


そして、最後のターニングポイントが就職である。

資格が無事に取れる目処がたち、就職活動を始めた時も、当然のように東京を選んだ。

理由は専門学校に入り直した時と大差ないと思うので、省略したい。

身も心も東京に染まった10年物のシティーガールに下手な注釈は不要だ。ということにしておく。



…と、時系列に沿って私が東京にいる理由を書き連ねてみたが、一言でまとめると、まあ「住めば都」。この一言に尽きる。記事書くのに飽きてきて無理やりまとめてるわけじゃないですよ。ほんとにそう思ったから!


18年間生まれ育った岡山県倉敷市が嫌いな訳では無い。

帰省したら野山を駆け回って遊びたくなる衝動に駆られるし、瀬戸内海のベタ凪を見ると「やっぱ海といえばこれっしょ」ってなる。

でも、そこにはもう私の居場所はない。

(何をもって自分の居場所とするのかって聞かれたら、またちょっと考えなきゃいけないんだけども。)

何はともあれ、最初に抱いた「遊びたーい」という単細胞的願望が、東京で暮らすうちに価値観や思考とかそういう根本的なものも変えていった。

そうしているうちに、ありとあらゆるチャンスがあって、まだ知らない沢山の人たちと、残念ながら疎遠になってしまった人たちが住んでいる東京の方が、肌にあうようになってしまったのだな。私にとって。


そういえば《東京にいる理由》で、クボくんは「また会えるから、じゃあねって言葉がある」「あの人を想うと胸が苦しくなる そんな感じに似ている」と歌ってるけど、私にとって故郷を思うときがまさにそれで、胸がちょっと苦しくなる。

でも故郷は故郷のまま、故郷としてそこにあるわけで、よっぽどのことがない限りなくなることは無いし、お金を払えば何時だって帰れる。

私にとって故郷は「じゃあね」って言って旅立つ存在である方がしっくり来るようになってしまったから、東京に居続けてるのかもしれないなあ、なんてことを、年末の忙しい時期に、このとてつもなく美しい失恋ソングを聴きながら私は考えるわけでした。

想うと胸が苦しくなる人も、居ないことはないけどね。

三日月になりたくなかった

チャットモンチーというバンドをご存知だろうか。

半年くらい前に解散して、結構色んな方面で話題にもなったバンドなので、ご存知なのを前提に話をしていきたい。

 

私が彼女らの存在を知ったのは高校1年生の冬頃だったと思う。

その頃の私と言えば、毎月欠かさずロッキンオンジャパンを購入し、通学電車の中で隅から隅まで読み耽り、帰りは駅前のタワーレコードに寄って働き蜂の如くあっちの試聴機へ、今度はこっちの試聴機へと店内をふらふら漂う暇な田舎のサブカル風吹かせる可哀想な女子高生だったので、いつチャットモンチーチャットモンチーとして認識したかは実の所はあまり覚えていない。

でも、1stが出た位の時に《ハナノユメ》を聴いて「この歌詞に出てくる女マジやべえ」と思ったような、そんな気がするのでほんとにリアルタイムなチャットモンチー世代だったんだと思われる。

 

この多感な女子高生だった頃にチャットモンチーの世界に触れるというのは多分重要なことであり、女として生まれて生きてきて、思春期にチャットモンチー接触したかしていないかでその後の人生は大きく変わってくる説を私は提唱したくて堪らないが、今日はしません。

 

さて、先程も述べたとおり、女子高生だった私はチャットモンチーの音楽を聴いて「この歌詞に出てくる女マジやべえ」的なことを思ってしまったので、ファーストインプレッションとしてはあまり宜しくなかった部類に入ると思う。

いい意味での「やべえ」ではなく、自分には到底理解出来ないものを見聞きした時に抱く方の「やべえ」という感情であったと、当時の私の人間関係や人生観から推測することは容易である。

だが、女子高生だった私はチャットモンチーを「やべえ」で片付けるのではなく、聴き続けた。

1stのハズカムを聴いて、あー2nd出たんやねーとか言いながら今は亡き岡山駅前のOPAにあったタワレコで耳鳴りを購入し、えーもう3rd出てる!とか言いながら同様にタワレコで生命力を買って、今のiPhoneくらいのサイズだった昔のiPodに入れて通学電車の中で聴いていた。

当時の私に何が刺さったのか。

推測するに、多分彼女たちが奏でるゴリゴリに太いサウンドだと思われる。

この辺は今もよくわからんのでちょっと割愛しますね。

 

ハズカム→耳鳴り→生命力ときて、私の中でのチャットモンチー歴は1度ストップする。

きっかけは女子高生を卒業して上京し、環境が変わったからであろう。

一人暮らしは何かとお金が掛かるし、東京には誘惑は沢山あるし、音楽にばっかり金をかけていられない。そう思ったから、なんかよーわからんけど好きかも、的な存在だったチャットモンチーは私の中から知らないうちに切られたのだ。

 

じゃあその後どこで再会したかというと、これは何故かハッキリ覚えていて、ノイタミナでやっていた海月姫のOPであった《ここだけの話 》を聴いた時である。

ご無沙汰であったため、心持としては初めましてくらいのテンションだったのだが、《ハナノユメ》を聴いたときのような「なんやこれ」感はなく、すっと心の中にえっちゃんの声と歌詞とサウンドが入ってきた。

だが、それが共感に似た類の感情であったと気づいたのは、今年に入ってからくらいの事かもしれない。

解散するよ、というニュースを見て、Twitterの人たちがチャットモンチーに共感していたと各々の言葉を用いて呟くのを見たのがきっかけだった。

 

【「この音楽が好き」という感情を抱くのに、共感は必要か否か。】

これは恐らく、その人の生き方や価値観、あとはアーティストの音楽性によるものが大きいと考える。

すごい偏見だけど、西野カナちゃんを崇拝する系の女の子はきっと西野カナちゃんの曲の歌詞に共感をしてるから好きなのであって、「西野カナの曲に出てくる女の気持ちはよくわからんけど、声とサウンドが好みだから聴いてる」っていう人はほぼ居ないと思う。

逆に、いや他でもない私がそうなんだけど、英語よくわかんないけどフランツフェルディナンドの曲を聴くとチョーハッピー!になれる人ってのは日本人の中にはある一定数存在するはずだ。むしろ居てくれないと私が困ります。恥ずかしくて。

チャットモンチーはドロっとした女の心を描写するのがじょうずだけど、同時にバンドサウンドもイケイケでかっちょいい。

だから、西野カナタイプの人もフランツフェルディナンドタイプの人も混在するんじゃないかと思う。

また、前者だったけど年を重ねるうちに後者になったよ、っていう私みたいな例も、あったんじゃないかなって。

好きだったものが年を重ねるうちに嫌いになる事もあるけれど、嫌いだったものが好きになる事もある。

今好きなものが、人が、死ぬまで好きだとは限らないし、今嫌いな人が明日すごく好きな人に変わってるという可能性も0.000001%くらいの確率であると思う。

そのきっかけが何かはわからないけど、どっかで気持ちを切り替えるスイッチが入ったり切れたりするんだろう。

そう考えると人の気持ちなんて物はホント信用ならねえな、なんて風に思うわけです。私は。

 

と、まあそんなとっ散らかったことを、今日仕事の帰りにiTunesをシャッフルしたら再生されたチャットモンチーの《三日月》を聴き、うわー懐かしーと思いながらふと見上げた空に肥りかけの月(残念ながらミカヅキではなかった)が浮かんでいるのを見てもくもく考えたので書きました。

女子高生だった私は三日月になりたくはなかったけど、30代が見えてきた今ならその気持ちがなんとなくわかるような気がしますよ、えっちゃん。

「この歌詞に出てくる女マジやべえ」なんて思ってた私がこんな風にすました顔でぽろっと言えてしまうあたり、私の気持ちも相当信用ならねえものなのですよね。

住めば都、暮らせば首都

先月末、就職を機に 約4年間住んでいた街を出て引っ越した。

最寄りの地下鉄の駅から徒歩20分。周りには家と寂れたスナックとそんなに品揃えのよくないスーパーくらいしかない、なかなかに趣深い街である。

引っ越した翌日だったかその次の日だったか忘れたが、一度深夜にタクシーで家の付近まで帰ってきたことがある。

その時に見た、新居の2つくらい先の角にある団地が人類と時代から忘れ去られた遺跡のように感じられて恐怖を感じ、歩く速度を密かに速めたのは記憶に新しい。

「23区内にこんな田舎な場所があったんだぁ…」と、上京して9年目に入ろうとしているトーキョービギナーともそろそろ言えなくなってきた非常に苦しい立場の私は日々感心しながら結構日当たりの良いベランダで洗濯を干している。

新しい家は日当たりはいいし広いけど、それ以外に特筆すべき点のないおうちだ。

何故そんな物件を選んだのかというと答えはとてもシンプルで、職場まで徒歩10分という点に惹かれたからである。

 

一方で、以前住んでいた場所に思い入れがあるかと訊かれたら首を傾げる。

一応東京都内だったが23区外で、周りに病院以外には何もないような場所だった。

そもそも何故そこに住もうと決めたかと言えば、その前に4年間住んでいた慣れ親しんだ沿線であったことと職場まで乗換無しで1本で通勤できたこと、あと楽器演奏可能物件としては家賃が割安だっただけのことである。

他の人がどういう基準で物件を選んでいるのかなんてあんま聞いたことがないけど、恐らくみんな大体この辺を重視してるんじゃないかしら。どうなのかしら。

 

そういえば、よく「都内近郊で住みたい街ランキング」みたいなものがネットに転がっている。

そういうのを見ると土地が持つネームバリューというものもひとつの基準になっているのだろうか、とも考えるが正直私としてはしっくり来ない。

「俺吉祥寺に住んでるんだよね」となっても「素敵!抱いて!」とはならないし、それよりも「私の家から徒歩1分くらいのところに23時まで営業してる品揃えの良い大手スーパーがあるんだよね」と言われた方が取っつきやすいというか、素直に「羨ましい!いいなー!」となる。

っていうか吉祥寺の魅力って何なんだろう?商店街?PARCO?いやーそんな毎日PARCOで買い物する?あ、確かに井の頭公園を気軽に散歩できるのはちょっといいかなって思う。でも絶対そんな頻繁に「うおおおおお井の頭公園散歩してええええええ」なんてならないだろうし…つくづく自分は物件に効率を求めているのだなと感じる。

 

住む場所に何を求めるのかは人それぞれだ。

私のようにとにかく職場から近い場所!あと家賃が手頃なところ!を求めて23区(笑)みたいな場所に好んで住む人間もいれば、家賃が高くても、通勤に時間がかかっても、狭くても、スーパーが遠くてもそれでもネームバリューがあるから吉祥寺に住みたい!と思う人も居るのだろう。

そう考えると何を基準に住む場所を選ぶかという話は交際相手や結婚相手に何を望むか、何を求めるかという話にちょっと似ている気がしてくる。

その人の人となりを知るには、実際好きな異性のタイプを訊くよりも「どういう物件に住みたいか」と話を振った方が早いんじゃないのかなぁ~価値観を知る上でも丁度良い物差しになるだろうし~合コンの定番の質問にしちゃえばいいのに~なんてことを思いながら私は今日も日当たりの良いベランダを満たされた顔をして掃くのである。